今回当社で試作研究を行い実用化したフォスブラック(硬質黒色皮膜)の特性は次の通りである。
◇◆◇ フォスブラック処理の特性 ◇◆◇
- 適用できる材料
・鉄、ステンレス、銅、アルミとその合金- 皮膜厚さ
・皮膜厚さは10〜30μの範囲で処理ができるが、一般的には10〜15μが用いられる。- 硬さ
・通常フォスブラックのマイクロビッカース硬さ(荷重 100g)は、HV550程度である。必要あれば、HV750程度まで硬度を上げることもできる。- 耐食性
・5%塩水噴霧試験連続150時間で異常なし。(詳細1)- 耐熱性
・300℃24時間では殆ど変色なし。(詳細2)- 耐光性
・紫外線ウェザーメーター連続200時間で変色なし。(詳細3)- 耐磨耗性
・亜鉛黒クロメート、鉄の黒染、黒クロム、黒ニッケルより優れている。必要が熱処理することにより耐磨耗性が向上する。(詳細4)- 処理に対する条件
・高品質のフォスブラック処理をするためには、発注の際に次の事項を明らかにする必要がある。
- (1)材質の明記
- (例)SUS 304 A5052−H38
- (2)使用特性の明記
目 的 硬 度 仕 上 面 熱処理なし HV550 ナシ地処理(2〜5S)
素材そのまま
平滑熱処理あり HV750 ナシ地処理(2〜5S)
素材そのまま
平滑フォスブラックの耐食性
- 概要
フォスブラック、亜鉛黒クロメート、黒クロム、黒ニッケル、鉄の黒染めの各々試験片を蒸留水又は脱イオン水で洗浄し、柔らかい布でぬぐって乾燥させた後、*ASTM−B−117の方法に従って5%塩水噴霧試験を行った。
ただし、有効面を垂直から6度傾ける。
- 結果
処 理 名 試 験 時 間(Hr) 備 考 2 4 50 100 150 200 フォスブラック 10.0 10.0 10.0 10.0 9.8 9.5 赤サビ 亜鉛黒クロメート 10.0 10.0 10.0 10.0 9.5 9.3 白サビ 黒クロム 10.0 10.0 10.0 9.8 9.3 赤サビ 黒ニッケル 10.0 9.5 9.3 赤サビ 鉄の黒染め 9.5 9.3 赤サビ
テストピース・・・・軟鋼板上に直接各々処理した。
判 定・・・・白サビ、赤サビによるレイティングナンバー。
*ASTM(AMERICAN NATIONAL STANDARD TESTMETHOD)
《 詳細2 》
戻 るフォスブラックの耐熱性
- 概要
・フォスブラック、亜鉛黒クロメート、黒クロム、黒ニッケル、鉄の黒染めの各々試験片を100℃、200℃、300℃、400℃で24時間熱処理を行った後の変色の度合いを調べた。
- 結果
熱処理は強制熱風循環式恒温器を使用。 処 理 名 熱 処 理 温 度(℃) 100 200 300 400 フォスブラック 変退色なし 変退色なし 極わずかに変色 青色に変色 亜鉛黒クロメート かなり変色
(茶色)黒クロム 変退色なし 変退色なし わずかに変色 わずかに変色 黒ニッケル 変退色なし 変退色なし かなり変色 鉄の黒染め 変退色なし 変退色なし 変退色なし 変退色なし フォスブラックの耐光性
- 概要
・フォスブラックの黒染めの各々試験片を紫外線ウェザーメーターで200時間処理を行った後の変色度合いを調べた。
- 結果
・紫外線ウェザーメーター連続200時間処理で変退色は見られない。
試験機 スガ試験機 WE−SH−2C 試験条件 平均放電電圧 135±10V 平均電流 16±1A 湿度 52% 黒板温度計の示す温度 63±5℃ フォスブラックの耐磨耗性
- 概要
・フォスブラック、亜鉛黒クロメート、黒クロム、黒ニッケル、鉄の黒染めの各々試験片をスガ式摩耗試験機を使用し、荷重400gで400回、1000回左右に動かした後の素地露出面積の大きさを調べた。
- 結果
テストピース・・・軟鋼板上に直接各々処理した。
試験機・・・・・・スガ摩耗試験機 NUS-ISO-2処 理 名 摩 耗 回 数 400回 1000回 フォスブラック 20% 60% 亜鉛黒クロメート 40% 85% 黒クロム 25% 70% 黒ニッケル 100% 鉄の黒染め 30% 70%
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