TECHNICAL BULLETIN
テクノフォス技術資料
 今回当社で試作研究を行い実用化したテクノフォス処理皮膜(特殊な無電解ニッケル皮膜に特殊フッ素樹脂を含浸、コーティング)の特性は次の通りである。

◇◆◇ テクノフォス処理の特性 ◇◆◇

  1. 適用できる材料
    ・鉄、ステンレス、銅、アルミとその合金
  2. 皮膜厚さ
    ・皮膜厚さは5〜100μの範囲で処理ができるが、一般的には10〜15μが用いられる。
  3. 硬さ
    ・通常テクノフォスのマイクロビッカース硬さ(荷重 100g)は、HV750程度である。必要あれば、HV1000程度まで硬度を上げることもできる。
  4. 非粘着性
    ・粘着テープを貼り、70℃で7分加熱後、テープをはがし残った大きさは0である。(詳細1)
  5. 耐食性
    ・5%塩水噴霧試験連続200時間で異常なし。(詳細2)
  6. 温度特性
    ・温度特性テスト300℃4時間で、皮膜の特性は異常なし。(詳細3)
  7. 静止摩擦係数
    ・初期摩擦係数は0.125程度である。(詳細4)
  8. 耐磨耗性
    ・テクノフォスの耐磨耗性はN処理と同様良好である。(詳細5)
  9. 処理に対する条件
    ・高品質のテクノフォス処理をするためには、発注の際に次の事項を明らかにする必要がある。
    • (1)材質の明記
    • (例)SUS 304  A5052−H38

    • (2)使用特性の明記
      目 的硬 度仕 上 面
      低 摩 擦HV750
       
      HV1000
      ナシ地処理(2〜5S)
      素材そのまま
      平滑
      非粘着性HV750
       
      HV1000
      ナシ地処理
      5〜8S
      8〜10S

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テクノフォス処理・N処理・無電解ニッケルの非粘着性測定データー

  1. 概 要
    各処理に1×5cmの粘着テープを貼り、50℃−15分、70℃−7分、100℃−5分、150℃−5分、炉中で加熱した後放冷し、そのテープをはがした処理面に残ったテープの大きさを調べた。
  2. 結 果
    ※値が小さいほど非粘着性が良好
     テクノフォスN処理無電解ニッケル
    面 粗 度5〜8S8〜10S5〜8S5〜8S
    50℃−15分0.0cm2
    0%
    0.0cm2
    0%
    0.0cm2
    0%
    3.0cm2
    60%
    70℃−7分0.0cm2
    0%
    0.0cm2
    0%
    0.0cm2
    0%
    4.2cm2
    84%
    100℃−5分2.6cm2
    52%
    2.0cm2
    40%
    3.0cm2
    60%
    5.0cm2
    100%
    150℃−5分3.3cm2
    66%
    2.8cm2
    56%
    3.3cm2
    66%
    5.0cm2
    100%/TD>


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テクノフォス処理の耐食性

  1. 概 要
    試験片を蒸留水又は脱イオン水で洗浄し、柔らかい布で拭って乾燥させた後、*ASTM−B−117の方法に従って5%塩水噴霧試験を200時間行う。但し、有効面積を垂直から約6度傾ける。
  2. 結 果
    腐食が見られない。
     *ASTM(AMERICAN NATIONAL STANDARD TEST METHOD)

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テクノフォス処理・N処理の温度特性

  1. 概 要
    ・テクノフォス処理、N処理、無電解ニッケルの各試験片を300℃で4時間処理後の皮膜減量よりフッ素樹脂の分解量を求め耐熱性を調べた。
  2. 結 果
     重 量 減
    テクノフォス1.2mg
    N処理1.4mg
    無電解ニッケル1.5mg

以上の結果より、300℃4時間ではフッ素樹脂は分解しない。


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テクノフォス処理・N処理・無電解ニッケルの静止摩擦係数

  1. 概 要
    テストピース上に摩擦用ブロックをのせ、上図のように滑車を通してつり下げたおもり皿に、分銅を入れてブロックの動き始めるときの重さから静止摩擦係数を求めた。
  2. 結 果
     面粗度テクノフォスN処理無電解ニッケル
    ナシ地処理2〜5S0.10〜0.150.10〜0.150.20〜0.25
    素材のまま0.15〜0.200.15〜0.200.20〜0.300.25〜0.30
    平 滑1S以下0.10〜0.150.10〜0.150.15〜0.20


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テクノフォス処理・N処理・無電解ニッケルの耐磨耗性

  1. 概 要
    上図のように、左右に動くベッド上にテストピースを固定し、テストピース上に10φベアリング用鋼球に300gの荷重をかけてのせ、ベッドを左右に動かしたときに、鋼球を支持固定する棒に生じる歪量をストレーンゲージにて拾い出し、その量を記録計にチャートしていく方法で行なった。
  2. 結 果
    耐磨耗性データー
    1.テクノフォスナシ地処理2〜5S
    2.テクノフォス素材そのまま 
    3.テクノフォス平滑1S以下
    4.N処理ナシ地処理2〜5S
    5.N処理素材そのまま 
    6.N処理平滑1S以下
    7.無電解ニッケルナシ地処理2〜5S
    8.無電解ニッケル素材そのまま 
    9.無電解ニッケル平滑1S以下

 耐磨耗性データーに見られるように、テクノフォス処理、N処理では時間の経過と共に、摩擦係数が小さくなり、往復2000回でもフッ素樹脂含浸層がなくなっていない。但し、実用試験は行っていないので実際の品物の摩耗度はわからないが、テクノフォスとN処理は同程度の耐磨耗性であることがわかる。


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