テクノマイト技術資料
TECHNO MIGHT

 今回当社で試作研究を行い実用化したテクノマイト処理皮膜(特殊な硬質陽極酸化皮膜上にフッ素系樹脂を含浸、コーティング)の特性は次の通りである。

◇◆◇ テクノマイト処理の特性 ◇◆◇

  1. 適用できる材料
    (1)アルミニウム及びアルミニウム合金展伸材
    (2)アルミニウム合金鋳物

  2. 皮膜厚さ及び皮膜寸法増加率
    • 皮膜厚さは20〜100μの範囲で処理ができるが、一般的には30〜50μが用いられる。
      皮膜寸法増加率は、下図の通りt/TX100%で表し、一般的には約50%である。
  3. フッ素樹脂の含浸状況

  4. 硬さ
    • A1100,A2017,A5052に皮膜厚50μを施したときマイクロビッカース硬さ(荷重100g)で、HV450〜550である。

  5. 耐電圧、絶縁抵抗
    • A5052に皮膜厚40μを施したとき
        耐電圧2200V  絶縁抵抗1.1×1010Ω(詳細2)

  6. 非粘着性
    • 粘着テープを貼り70℃で7分加熱後、テープをはがし残った大きさは0である。(詳細3)

  7. 耐食性
    • 5%塩水噴霧試験連続336時間(14日間)で、異常なし。(詳細4)

  8. 温度特性
    • 高温特性テスト200℃4時間で、フッ素樹脂は分解しない。(詳細5)

  9. 摩擦係数及び耐摩耗性
    • 初期摩擦係数は0.1〜0.2であり、硬質アルマイトのみでは05である。フッ素樹脂含浸皮膜の耐摩耗性は、T処理と同様良好である。(詳細6付図3)

  10. 耐候性
    • 極めて安定している。

  11. 処理に対する条件
    • 高品質のテクノマイト処理皮膜を形成するためには、発注の際に次の事項を明らかにする必要がある。

      1. 材質の確実な明記
        (例) A5052−H38   A6061−T6
      2. 材質の統一
        同一部品は必ず同一材質であること。
      3. 電極位置の明示
        電極(電気接点)の位置を明示すること。(必要により接点用の捨て穴を付ける)
      4. 仕上がり表面状態の明記
        通常の表面状態は素材の表面状態に倣う仕上げになるので梨地又は光沢が必要なときには、その旨明記すること。
      5. 皮膜厚さと角部の曲率半径
        鋭角の部分に厚い皮膜を生成さすと割れ、剥離を起こす恐れがあるので厚さによる曲率半径を下記のようにして下さい。

        皮膜厚さ(μ)角部の曲率半径(mm)
        301.2以上
        502.0以上
        753.0以上
        1004.2以上


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テクノマイト処理とT処理のフッ素樹脂含浸状況

  1. 概 要
    電子マイクロアナライザーにより、フッ素のX線分析で含浸状況を調べた。

  2. 測定機器
    島津走査形電子顕微鏡ASM-SX

  3. 結 果
    X先分析の空間分解能を考慮して、バックグラウンドの立ち上がりでなく、若干立ち上がった点より、フッ素樹脂が存在しているものと考えられる。
     付図−1、付図−2より、フッ素樹脂の侵入の深さを計算すると、
     テクノマイト 4.7μ  T処理  5.0μ と測定される。

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耐電圧、絶縁抵抗測定データー

  1. 耐電圧、絶縁抵抗の比較
    ※絶縁抵抗は電圧500Vの値
     テクノマイトT 処 理
    材 質膜厚(μ)耐電圧(V)絶縁抵抗(Ω) 膜厚(μ)耐電圧(V)絶縁抵抗(Ω)
    110054〜5621001.5×101054〜5618001.5×1010
    201732〜3418003×101032〜3412002.8×1010
    201748〜5020003×101046〜4816001.4×1010
    505242〜4419001.1×101042〜4415001×1010
    505242〜4422001.1×101042〜4414006×1010
    606142〜4422009×101036〜3814001×1010
    606146〜4828002×101044〜4615001.3×1010
測定機器

膜  厚・・・パーマスコープEC
耐 電 圧・・・WITHSTANDING VOLTAGE TESTER
KIKUSUI MODEL-875AZ
絶縁抵抗・・・HIGH MEGOHM METER
TAKEDA RIKEN TR8601


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テクノマイト処理T処理硬質アルマイトの
非粘着性測定データー

  1. 概 要
    各処理に1×5cmの粘着テープを貼り、50℃−15分、70℃−7分、100℃−5分温度をかけた後放冷し、そのテープをはがし、処理面に残ったテープ大きさを調べた。

  2. 結 果
     テクノマイトT 処 理硬質アルマイト
    50℃−15分1.5cm2
    30%
    3.0cm2
    60%
    5.0cm2
    100%
    70℃−7分0cm2
    0%
    0.85cm2
    17%
    4.75cm2
    95%
    100℃−5分4.25cm2
    85%
    4.9cm2
    98%
    5.0cm2
    100%


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テクノマイト処理T処理の耐食性

  1. 概 要
    試験片を蒸留水又は脱イオン水で洗浄し、柔らかい布でぬぐって乾燥させた後、ASTM-B-117の方法に従って5%塩水噴霧試験を335時間(14日間)行う。ただし、有効面積を垂直から約6度傾ける。

  2. テクノマイト、T処理共に腐食が見られない。

    ※ASTM(AMERICAN NATIONAL STANDARD TEST METHOD)


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テクノマイト処理T処理の温度特性

  1. 概 要
    テクノマイト処理、T処理、硬質アルマイトの各試験片を200℃で、4時間熱処理後の皮膜減量よりフッ素樹脂の分解量を求め耐熱性を調べた。

  2. 結 果
     重量減
    テクマイト処理10.4mg
    T処理10.8mg
    硬質アルマイト 11.5mg

    以上の結果よりアルマイト中の水分の減量は見られるが、フッ素樹脂の分解は200℃ではない。


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