PRODUCT INFORMATION

硬質アルマイト皮膜の硬度にフッ素樹脂の滑り性を付与した表面処理

機能特性

処理可能最大寸法(mm)

280×900×970

適応素材

アルミ合金展伸材、アルミ合金鋳物など

特長

  1. 硬質アルマイト皮膜にフッ素樹脂をコーティングすることで非常に滑らかで硬い表面が得られます。
  2. 素材と強い密着性があり、剥離が生じません。
  3. フッ素樹脂の特長である潤滑性が得られます。
  4. アルミ素材よりも硬くなるため、耐摩耗性にも優れます。
  5. 耐食性にも優れています。
  6. 食品衛生法、食品添加物等の基準に合格しています。

特性

非粘着性 テープ等の非粘着性に優れています。
耐摩耗性 硬質アルマイト以上の耐摩耗性が得られます。
耐食性 アルマイトの耐食性が得られます。
素 材 アルミ合金への処理に限定されます。処理加工なアルミ合金の番手については御相談ください。

寸法精度

20~100μの範囲で均一な皮膜処理が可能です。
局部的な処理も可能です。誤差は±5μの範囲で管理ができます。

耐磨耗

初期摩擦係数は0.1~0.2と表面は滑りやすく、半永久的に滑らかさを保ちます。

耐食性

5%塩水噴霧試験で連続336 時間を経過しても腐食が有りません。

耐熱性

300℃で4時間を経過しても、異常が有りません。

TEST DATA各種テストデータ

表面観察

電子顕微鏡によって表面観察を行った。 使用機器:JEOL製 S-4800

耐摩耗試験

試験方法

10mmのボールに300gの荷重を負荷し、処理面上を500回/分で5cmの長さを往復させる。その状態をレコーダでチャートにとり、摩擦係数と耐磨耗性を調べた。

結果

テクノマイトブラック処理 0.1~0.2
硬質アルマイト 0.5
右図のように時間の経過とともにフッ素樹脂層が磨耗されていることがわかる。この図でわかるように硬質アルマイトのみでは摩擦係数が高く、テクノマイトブラック処理は、時間の経過とともに摩擦係数が高くなり、約25分でフッ素樹脂含侵層がなくなると考えられる。

非粘着性

試験方法

毎分10cmの速度でシリコン系接着剤のテープ(10mm幅)を引き剥す際の荷重から非粘着性の比較を行った。

結果

テクノマイトブラックは粘着性が見られない。

処理名  テクノマイトブラック   硬質アルマイト   硬質クロム 
50℃ 15分 0.0㎠
0%
5.0㎠
100%
2.5㎠
50%
70℃ 7分 0.0㎠
0%
4.95㎠
95%
4.3㎠
86%
100℃ 5分 0.0㎠
0%
5.0㎠
100%
5.0㎠
180℃ 5分 0.0㎠
0%
5.0㎠
100%
5.0㎠
100%

㎠=テープの残存面積
%=テープ面積に対する残存面積比
値が小さい程非粘着性が良好
面粗度は5~8S

耐食性

試験方法

試験片を蒸留水又は脱イオン水で洗浄し、柔らかい布で拭って乾燥させた後、ASTM-B-117 の方法に従って、5%塩水を連続して噴霧した。

結果

判定はレイティングナンバーによる。

処理名 試験時間(Hr) 備考
50 100 150 200 336
テクノマイトブラック 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 サビなし
硬質クロム 9.8 9.0 -
- - 赤サビ
無電解ニッケル 10.0 10.0 10.0 9.8 - 赤サビ
電気ニッケル 9.3 - - - - 赤サビ
亜鉛有色クロメート 10.0 10.0 - - - 白サビ

ASTM(アメリカ材料試験協会)

耐電圧性

試験方法

 

結果

材質 膜厚 耐電圧(V) 絶縁抵抗(Ω
5052 42~44 1900 1.1×1010
6061 46~48 2800 2.0×1010

耐熱性

試験方法

各試験片を300℃で4時間熱処理し、減少した皮膜の重量よりフッ素樹脂の分解量を求め耐熱性を調べた。

結果

300℃で4時間の熱処理では、フッ素樹脂は分解しない。

処理名 重量減
テクノマイトブラック 10.4mg
硬質アルマイト 10.4mg

標準膜厚と導電性

処理名 テクノハイブラック R 処理 亜鉛黒クロメート
標準膜厚 2~4μm 3~10μm 8~15μm
導電性 あり なし なし