ソルブラック®PRODUCT INFORMATION
ナノサイズの三次元凹凸構造による光閉じ込め効果で高光吸収を実現!
機能特性
処理可能最大寸法(mm)
350×800×800
特長
- ナノサイズの凹凸による光閉じ込め効果で、優れた光の吸収性能を有しています。
- マット調の黒色で光を反射させません。
- アウトガスの発生が少なく真空での使用に最適です。
- 無電解ニッケルめっき以上の耐食性を有しています。
- 黒体塗装よりも集熱性に優れています。
- 耐熱性・耐光性に優れています。
- 無電解めっき法であるため皮膜厚さが均一で、複雑な形状や内径にも処理が可能です。
- 6価クロム等の環境規制物質を使用していません。
※特殊な皮膜構造のためにめっき膜が脱落しやすく、摩擦環境等には適しません。
特性
光吸収 | 可視光領域(380~750nm)の光を平均で98%吸収します |
---|---|
低反射 | 入射角12°で照射された可視光線の正反射率は0.2%です |
真空性 | フォスブラックⅢと比較して気体の放出速度が1桁程度低くなります |
耐食性 | 人工酸性雨(JIS H8502)下の腐食試験では無電解ニッケルめっきよりも優れています |
耐熱性 | 200℃で2時間保持しても反射率は変化しません |
精度 | あらゆる形状に対して均一な成膜が可能です。(指定膜厚の±10%) |
素材 | 様々な素材に処理が可能です。詳細についてはご相談下さい。 |
用途
重力波望遠鏡(KAGRA)、光学望遠鏡(HONIR)などへの反射・迷光防止用途
TEST DATA各種テストデータ
表面観察
試験方法
電子顕微鏡によって表面観察を行った。
使用機器:JEOL製 S-4800
結果
クリークのサイド部分にも凹凸を持った3次元的な構造をとることが分かった。
表面
近畿大学 共同利用センターにて観察
断面
近畿大学 共同利用センターにて観察
光吸収率
試験方法
分光光度計に積分球を装着し、全光吸収率を測定した。
使用機器:日立ハイテク製 U-3900、φ150積分球付き
測定範囲:200~800nm
測定光源:タングステンランプ(800~340nm)・D2ランプ(340~200nm)
結果
ソルブラックの可視領域での吸収率は約98%であった。
反射率
試験方法
分光光度計に絶対反射率測定装置を装着して反射率を測定した。
使用機器:島津製作所製 Solidspec370
測定範囲:400~2800nm
光入射角:12°
結果
ソルブラックの正反射率は全測定領域において3%以下と低く、特に可視領域においては約0.2%以下であった。
真空性
試験方法
コンダクタンス変調法によりめっき膜表面からの気体放出速度を測定した。
結果
集熱性
試験方法
表面処理を施したアルミパイプに光を照射し、内部の水温の変動を記録した。
水量:8mL
光源:50W電球
光源からの距離:10cm
結果
集熱性のグラフ耐熱性
試験方法
200℃で2時間保持し、その前後での全反射率(可視領域の平均)を比較した。
結果
200℃で2時間保持後も反射率は変動しなかった。
平均反射率 | |
熱処理前 | 2.5 % |
200℃ 2h処理後 | 2.5 % |